今「働き方改革」が求められている

(2017年03月10日 お問合せポータル 廣瀬)

安倍政権の提唱する「働き方改革」が連日新聞等メディアを賑わせています。

「働き方改革」は、安倍政権の最重要課題であるとして、働き方改革担当大臣を新設し、働き方改革実現会議を設置、2016年度内に具体的な実行計画を取りまとめ、関連法案を提出・成立させる考えです。

背景

日本の労働環境の課題は、長時間労働と低い生産性にあると諸所で指摘されています。
現代の日本では、生産年齢人口が減少し続けており、労働力不足が深刻化しています。 国の生産力・経済力が衰退することを防ぐため、労働力不足の改善が喫緊の課題なのです。

労働力不足を改善するためには、
・労働人口を増やす(人口増、女性や高齢者の就業推進、就業形態の柔軟化、外国人材受入)
・労働人口一人あたりの労働生産性向上
が求められており、今回の「働き方改革」で議論されることとなりました。

特に重視されているテーマ

安倍総理は、平成28年8月3日第3次安倍第2次改造内閣発足における会見で、「最大のチャレンジは、「働き方改革」であります。長時間労働を是正します。同一労働同一賃金を実現し、「非正規」という言葉をこの国から一掃します。最低賃金の引上げ、高齢者への就労機会の提供など、課題は山積しています。...」と表明しました。

安倍総理は、特に「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金の実現」を最重要課題として 取り組みを進めるようです。

長時間労働の是正について

日本は先進諸国の中で群を抜いて労働時間が長いといわれています。
戦後から高度経済成長を経てバブルがはじけるまで、日本の企業において「労働時間の長さ」がある種の美徳とされていました。
バブル崩壊から20年以上経つ今でもこの価値観が未だに残り続けている企業はまだまだ数多く存在しているように思います。

高度成長期は、新しいモノを作れば売れ、誰もが皆忙しくし、長時間労働を続ければ自ずと昇進昇級する時代です。
どの企業も終身雇用と年功序列を前提に労働者に長時間労働を求めた風潮でしたが、バブル崩壊、氷河期、低成長の時代では、終身雇用や年功序列を保つことはできず、結果、長時間労働だけが残ったといっても過言ではありません。

今の時代は、依然として労働時間は長いものの給与は中々上がらず、いつクビにされるかも分からない状況で、身心とも疲弊、崩壊する労働者が多く生まれてしまいました。 結果、日本は労働生産性が低くなり、このままでは中長期的に国力が大きく衰退してしまう危機的な状況に陥っているのです。

この労働人口の減少と低生産性を改善するには、労働者一人あたりの労働生産性を高める必要があります。
そのためには日本の企業は、長時間労働をなくし、加えてハイパフォーマンスを発揮できる労働環境を提供する必要があります。

同一賃金同一労働の実現について

終身雇用と年功序列を維持できなくなった日本の企業は、リストラを断行しました。 また氷河期には、優秀な人材の多くが正社員として就業できず、まもなく40歳台になろうかという状況です。
加えて、介護離職や女性の結婚・出産に伴う希望しない離職、敢えて非正規で働くという選択。

日本の企業では、求められる責任や能力は正社員と同一であるにもかかわらず、採用形態が正社員ではないというだけで、大きな賃金格差があるといわれています。

このため、残念ながら、モチベーションが上がらない、意欲がない労働者が居ることも事実です。

この状況を改善するには、様々なバックグラウンドにある求職者個別の事情に応じて働きやすい採用形態を設け、採用区分に関わらずパフォーマンスの高い労働者には高い賃金を与え、一方で正社員であっても成果を出せない労働者は低い処遇にするといった環境にしていく必要があります。

具体的な実現方法について

一般論にはなりますが、従来の終身雇用や年功序列を前提にした雇用形態から完全に脱却し、社員一人ひとりが高い成果を出せるような雇用形態、人事評価を構築し、正しく運用することでしょう。

具体的には、
・様々な状況にある社員が就業しやすくする
・労働時間を基準としない「成果」主義を採用する
・高い成果を出しやすい労働環境にシフトさせる
といったことが求められると考えます。

ここで注意が必要なのは、雇用形態や人事評価の再構築が形骸化しないことです。
形だけの成果主義では何の意味もありません。
成果主義の評価基準が年功的であったり、労働時間や結果の出ない努力にならないようにするよう徹底する必要があります。

では、何から着手すればよいかということですが、まずは現状把握が重要です。
業種業態や企業規模、今の社員構成など各企業によって異なる最適な施策、人事制度・評価制度を構築するには、会社の状況分析と社員個々の満足度を測る必要があります。

また、自社にあった改革にはどのようなものがあるかを調べ、学ぶ必要があります。
これは厚生労働省が公表している「働き方・休み方改善ポータルサイト」で、他社の具体的な取り組み事例や成功事例が公表されているので参考にしてみると良いでしょう。

その上で、最適な施策、人事制度・評価制度を構築し、管理職はもちろん一般社員にまで 広く理解・浸透をさせることです。

そして最後にトップの強い改革意欲が重要です。
強いメッセージを社員全員で共有し、実現に向けてアクションを起こさなくてはいけません。

もし、これら一連の施策の全部若しくは一部について、
・社内では対応が出来ない
・せっかく着手するなら最高の成果を出したい
ということであれば、人事コンサルティングサービスを活用しても良いかもしれません。

このコラムに関連するお問合せポータルカテゴリー

人事コンサルティング


このページのトップへ