アンケート調査の実施を検討するときに頭を悩ませるのは、「何人を対象にアンケートを実施し、何人の回答を集める必要があるのか?」という点ではないでしょうか。
どのような考え方に基づいて、回収すべきサンプル数やアンケート配信先数を算出する必要があるのかを見ていきたいと思います。
サンプル数とは、
回収する回答の数のことを、「サンプル数」「サンプルサイズ」と言います。
アンケート調査では、調査対象の一部を調べることで、全体を推測する「標本調査」という方法を使うのですが、調査対象となる母集団からピックアップされた回答者(標本)が、母集団全体の縮図になるように、統計的な理論に基づいてサンプル数を算出する必要があるのです。
サンプル数の算出では、「このアンケート調査にはどの程度の正確性が必要か」という点がポイントになってきます。
調査対象となる母集団全体が回答する場合と、母集団からピックアップされた人たちの回答の間に発生するズレをどの程度許容するか、によってサンプル数が変わってきます。
母集団全体の回答データと、標本による回答データとのズレを±何%許容するかです。
一般的には、標本誤差の設定値は5%(d=0.05)が多いようです。
例えば、「ワインが好きな日本人の比率は60%」という結果が得られた場合、許容誤差が5%なら、母集団の実態としては「ワインが好きな日本人の比率は55%~65%」ということになります。
回収したサンプルの1つが、どのくらいの確率で標本誤差の範囲内になるかを表します。
一般的には、信頼水準の設定値は95%(λ=1.96)が多いようです。
信頼水準が95%の場合、「100人中95人は標本誤差内(±5%)の結果」であることを示します。
サンプル(標本)の支持率や保有率などの回答比率のことです。
サンプルが特定の政党を支持する集団である度合いや、特定の製品を保有している集団である度合いなど、事前に同様な調査内容で回答の比率がある場合はそれを使います。
例えば75%が支持しているという回答比率があれば、p=0.75になります。
事前に参考となる結果がない場合は、必要な調査対象者数が最大となる50%(p=0.5)を使います。
以下が計算式になります。
それぞれの数値をあてはめて計算します
約384という結果がでてきました。
標本誤差が±5%で、信頼水準が95%、回答比率が50%の場合、必要なサンプル数は、約384ということになります。
ですので、標本誤差をもっと小さくしたい場合や、信頼水準を上げたい場合、もしくはすでに回答比率が分かっているなどの場合、必要なサンプル数はそれに応じて異なってきます。
アンケート調査を案内した人がすべて回答してくれるわけではないため、想定される回収率を踏まえて、配信先数を算出する必要があります。
必要なサンプル数が400だった場合、25%が実際にアンケートに回答してくれると予測するなら、必要な配信先数は1600人となります。
以上で、必要なサンプル数と実際の配信数を算出することができました。
疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、もしサンプル数が400名も設定できない、母集団の全体人数自体が少ない場合は、どのように算出したらよいのでしょうか。
母集団の人数を加味した計算式は複雑になりますので、ここでは割愛したいと思いますが、サンプル数の早見表を参考にされるのが良いかもしれません。
10 |
10 |
100 |
80 |
200 |
132 |
300 |
169 |
1,000 |
278 |
2,000 |
323 |
10,000 |
370 |
100,000 |
383 |
300,000 |
384 |
1,000,000 |
384 |
10,000,000 |
385 |
100,000,000 |
385 |
∞ |
385 |
こちらの早見表をご覧いただくと、母集団がある一定の大きさになると、サンプル数にほとんど変化がなくなってくることも分かります。
これが一般的にはサンプル数の目安が400であるといわれるゆえんです。
(引用:なるほど統計学園高等部)
サンプル数や配信先数の算出についてご説明してきました。
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