ISO27001とPマークの違いとは?どちらを取得すべきか5分でわかる比較解説


「ISO27001とPマークの違いとは?」

「情報セキュリティ対策として、ISO27001とPマークのどちらを取得すべきか?」

多くの企業の担当者が抱えるこの悩みの答えは、実は非常にシンプルです。

両者の最大の違いは「守る情報の範囲」にあり、この一点を理解するだけで、自社に最適な認証が見えてきます。

この記事では、ISO27001とPマークの本質的な違いを解説し、その上で具体的な比較表、事業内容ごとのおすすめ、そして意外と見落としがちなデメリットまでを詳しくご紹介します。

この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って最適な認証を選択できるようになるでしょう。

目次
1. 【結論】ISO27001とPマークの最大の違いは「守る対象の範囲」
2. ISO27001とPマークの違いが一目でわかる比較表
3. あなたの会社はどちらを取得すれば良い?最適な認証の選び方
4. ISO27001とPマークのデメリット

【結論】ISO27001とPマークの最大の違いは「守る対象の範囲」

ISO27001とPマークの最も大きな違いは、守るべき情報の対象範囲です。

Pマークは「個人情報の取り扱い」に特化しているのに対し、ISO27001は個人情報を含む企業の「すべての情報資産を管理する仕組み」を対象としています。

例えば、一般消費者向けのECサイトを運営する会社を考えてみましょう。顧客の氏名や住所といった個人情報の管理をしたい場合はPマークが適しています。
一方で、個人情報だけでなく、取引先との契約情報、自社の技術ノウハウ、財務データなど、会社全体の重要な情報を組織的に管理したい場合はISO27001が適しています。

このように、Pマークは「個人の情報」に、ISO27001は「組織の情報資産全体」に焦点を当てている点が、本質的な違いです。

ISO27001とPマークの違いが一目でわかる比較表

ISO27001とPマークの主な違いを、以下の表で比較します。

この表により、両者の特徴や適用範囲の違いを視覚的に理解しやすくなります。

項目 ISO27001(ISMS) Pマーク(プライバシーマーク)
保護対象 情報資産全体 個人情報のみ
規格 国際規格 日本独自の国内規格
認証範囲 事業・事業所・部門単位での取得も可能 会社全体(全部署・全従業員)で取得必須
審査の違い ■簡単
①審査時に、「広く・浅く」見られる
②自社のリスクに応じた対策が打てる、
 ルールに自由度有
③審査機関により価格が違うため、比較検討が必要
④審査の日数が、対象人数に応じて変わる
⑤コンサルタントの審査立会が可能
■難しい
①審査時に「狭く・深く」見られる
②定められた個人情報保護を基準に、
 平均的なリスク対策が必要
③審査機関による価格の違いなし
④審査は1日で終わる
⑤審査は従業員のみが立会可能

あなたの会社はどちらを取得すれば良い?最適な認証の選び方

事業内容や目的によって、最適な情報セキュリティ認証は異なります。ここでは、企業の特徴をもとにISO27001とPマークのどちらがおすすめかを解説します。

(1)ISO27001の取得がおすすめな企業

ISO27001の取得がおすすめな企業の特徴は、以下のとおりです。

  • 【特徴1】BtoB取引が事業の中心である:ISO27001は企業間の取引において、取引先の情報セキュリティに対する要求に応える際に有効です。BtoB取引では、自社の情報だけでなく取引先の情報資産も扱うことが多いため、広範な情報資産を保護するISMSは信頼獲得に繋がります。
  • 【特徴2】海外の企業と取引がある、または今後予定している:ISO27001は国際的な基準であるため、海外企業との取引においては特にその有効性が発揮されます。国際的な信頼を獲得することは、グローバルなビジネス展開をスムーズに進めるための基盤となります。
  • 【特徴3】取引先や入札案件で求められている:特定の取引先や公共事業の入札案件において、ISMS認証の取得が条件となる場合があります。このような場合、ISO27001の取得はビジネスチャンスを拡大するための必須条件となり得ます。
  • 【特徴4】組織全体のセキュリティを強化したい:個人情報だけでなく、機密性の高い技術情報、営業秘密、企業ノウハウといった広範な情報資産を対象に、組織全体のセキュリティレベルを包括的に向上させたい企業に最適です。

(2)Pマークの取得がおすすめな企業

Pマークの取得がおすすめな企業の特徴は、以下のとおりです。

  • 【特徴1】BtoCサービスが事業の中心である:消費者から個人情報を直接取得・利用するBtoCビジネスにおいて、Pマークは個人情報の適切な取り扱いに対する企業の姿勢を示すために有効です。これにより、消費者は安心してサービスを利用できるようになり、企業の信頼性向上に貢献します。
  • 【特徴2】Webサービスなどで大量の会員情報や個人情報を扱っている:オンラインサービスやECサイトなど、大量の顧客情報や会員情報を扱う企業にとって、Pマークの取得は個人情報保護に対する企業の責任を果たす上で非常に重要です。
  • 【特徴3】一般消費者に「個人情報を大切にしている」ことをアピールしたい:Pマークは、「個人情報を適切に取り扱っていることが、一目でわかります。ホームページや店頭、パンフレットなどの宣伝・広告用資料、封筒、名刺等に表示することで、消費者に直接的かつ分かりやすく、個人情報保護への取り組みをアピールすることができます。

ISO27001とPマークのデメリット

ISO27001とPマークのメリットをもとに、おすすめの企業を解説しましたが、もちろんそれぞれにデメリットが存在します。これらを理解することで、より自社の状況に合った最適な選択が可能になります。

(1)ISO27001のデメリット:構築・運用の工数が大きい、コンサル費用が高めになる傾向

ISO27001の導入・運用には、セキュリティ体制の構築や維持に多くの時間とリソースが必要となる場合があります。

また、専門的な知識が求められるため、コンサルティングサービスの利用が推奨されることもあり、その費用は高めになる傾向があるとされています。

これらの点は、特に中小企業にとっては導入のハードルとなる可能性があります。

(2)Pマークのメリット・デメリット:互換性がない

Pマークのデメリットは、取引先からの要求でISO27001が指定された場合に、その代わりとなれないことです。

ISO27001を取得している場合は、Pマークの条件を満たしていると見なされるケースがあります。

ですが、PマークにはISO27001の要件を包括していないため、ビジネスチャンスを逃す可能性があります。

まとめ

本記事では、ISO27001とPマークの違い、それぞれの特徴、そして貴社に最適な認証を選ぶためのポイントを解説しました。

ISO27001とPマークの最も大きな違いは、守るべき情報の対象範囲です。

  • Pマークは「個人情報の取り扱い」が対象
  • ISO27001は「企業のすべての情報資産を管理する仕組み」が対象

Pマークは、主に国内の消費者を対象に、個人情報の適切な取り扱いをアピールし、消費者からの信頼を獲得したい企業に最適です。

一方、ISO27001は、広範な情報資産を保護し、国際的な信頼を獲得したい企業や、BtoB取引が多い企業、組織全体の情報セキュリティ体制を強化したい企業に適しています。

どちらの認証を選ぶべきか迷った場合は、支援実績8,000社以上の認証パートナーへお気軽にご相談ください。

あなたの会社の事業目的や現在の状況を考慮し、最適な情報セキュリティ認証をご提案いたします。

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【株式会社スリーエーコンサルティング(認証パートナー)】

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