赤信号、みんなで渡れば怖くない

全国のホテルや百貨店などでメニュー表示と異なる食材を使う「食材偽装」の公表が相次いでおり、日本の飲食・小売業界、ひいては食文化の信頼を大きく損ねる事態に発展しています。

ニュースの流れを振り返れば、食材の虚偽表示が次々と明るみに出始めたきっかけは、某ホテルさんの偽装問題発覚の記者会見ではないかと思います。

穿った見方をすれば、
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の集団心理で、数多くの偽装のうちのひとつに紛れ込むことで、印象を薄めさせようとしているようにも思えます。

今回の一連の偽装は、主にいわゆる高級店と認識されているところで発覚・公表されています。
「このお店は高いけど、その価格に見合う商品を取り扱っているはずだ」
という性善説に基づく信頼を大きく失ってしまいました。

あの百貨店の包装紙で包まれたお歳暮をお送りするという最大限の感謝の意、大事な商談や記念日にゲストをホテルのレストランへ招待するという心遣い、等といった長い年月を経て築きあげられた日本の商習慣や文化のならわし・しきたりが、今回の一連の偽装発覚によって、失われかねない状況となってしまいました。

偽装を行っていたホテルや百貨店は、今回の事件をきっかけに法令順守は当然のこと、信頼回復のための大きな努力が求められることでしょう。

偽装を無くし、顧客の信頼を回復させるための手法のひとつとして、「透明性」を担保すること、すなわち第三者による客観的評価を得ることが挙げられるのではないでしょうか。

例えば、ISO22000を取得し、食品安全のマネジメントを適切に運用していくこと。

ISO22000とは、食品安全マネジメントシステムの要求事項を規定した国際規格です。
ISO9001(品質)の要求事項に加え、HACCPにも対応する食品分野向けの規格で、生産、加工、販売の各段階で取り組み可能です。

ISO22000の認証取得によって、「安全で高品質な食品の供給に注力していること」のお墨付きを得ることが出来るため、取引先、顧客からの信頼を得やすくなり、企業・店舗としてのブランド力強化にもつながります。

取得認証には、莫大な労力と時間、そしてコストがかかります。
更には取得だけでは終わりではなく、運用にあたっても労力やコストが発生します。
一方、その仕事に本気で取り組んでいるということをPRすることにもなるのです。

一連の騒動は未だ完全に落ち着いたわけではありませんが、ぜひ偽装を行っていた企業等におかれましては、真摯に本問題に取り組んでいただきたいものです。

(タグ:お問合せポータル 廣瀬)


このページのトップへ