BYODとはBring your own deviceの略称で、個人保有のデバイス(スマートフォンやタブレット)の業務利用をすることを指します。スマートフォンやタブレットの進化とともに業務でも私的デバイスが利用できる環境が整っていることから今後より一層の普及が考えられているサービスである。
このBYOD、企業・個人それぞれにメリットがある。企業としては社用携帯等デバイスの追加が不要になるため、購入費用などのコスト削減が見込める。実はあまり企業がこのメリットを大きな声で言えない理由としては、これまで企業側で負担していた端末コストの一部を社員個人に負担させることになるからだ。フィーチャーフォンからスマートフォンやタブレットに機種移行していくにあたり、1台辺りの単価も上がりかなりのコストアップとなることから、そのメリットは大きい。
(1台にかかる端末コスト)×(利用台数)という簡単なコスト削減が可能となる。
また通信費に関しても公私分計サービスなどを用いれば、仕事利用分の通話料のみの経費精算ですませることが可能となる。
逆に個人のメリットとしては、どのようなものがあるか。
まずは、個人用と会社用の2台の端末を持ち歩かないでよくなる。
別に2台持ち歩くことに抵抗がないということや慣れてしまったということもあるだろうが、消費電力の高くなってきているスマートフォンはその電池残量の管理や充電作業だけでも面倒だろう。
公私をうまく切り分ることができるビジネスマンであれば、端末さえあればどこでも仕事が可能になる。
メリットの裏側にはもちろんデメリットもある。
企業として課題となるのはセキュリティだ。
個人所有のデバイスが社内業務アプリケーションにアクセスする。様々なリスクが想定されるためセキュリティポリシー、運用管理面をしっかりしておかなければならない。
利用させる業務アプリケーションによって、その改修や環境構築のための投資コストが予想される。
例えば、電話帳なども個人・仕事用で統一されるわけであるから、紛失や盗難に合った場合などを想定した設計が必要だ。
個人としては、メリットにもある私用端末で業務利用が可能になることである。
端末を持っていることにより、公私の切り分けが出来ない人にはストレスになる恐れがある。24時間365日業務に参加できる環境の裏では、24時間365日業務対応を取らざるを得ない環境でもあることだ。
このように企業・個人それぞれにメリット・デメリットのバランスをとりつつ、運用ルール、セキュリティポリシーなどの訓練が必要になるであろう。
これからBYODを導入する企業・個人がこれらのデメリットを理解した上で、メリットを感じることはできるのであろうか。
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