2016年10月6日にマルケト社、ランドスケイプの共催セミナー「長期的な関係を構築するエンゲージメントマーケティングとマーケティングオートメーションの実践知」を実施しました。以下、実施報告記事となります。
1.マルケトが考えるこれからのマーケティングとは?
これまでのマーケティングはマスマーケティングが中心でした。しかし、広告量が増える事に比例して一方的な情報発信の効果は下がってきています。そこで次第にマーケティングはセグメントや直近のレスポンスに注目したマーケティングに移っていきます。これらの施策は不特定多数へ向けた施策とは違い、見込み客の属性や行動に合わせてメッセージを伝える為、効果的です。しかし、施策と施策が繋がっていない事が多く、単発の施策を繰り返している、という状況が少なくありません。特にオンラインとオフラインの施策が分断されてしまっている事が多い事も残念です。
これからのマーケティングは「エンゲージメント」、顧客一人一人との長期的な結びつきを重視すべきだとマルケトは考えています。いわゆる「1 to 1マーケティング」は新しい概念ではなく、以前から言われていたものでした。現在ではマーケティングオートメーションが登場した事により、これまで概念としてしか存在していなかった1to1マーケティングを実際に実行可能な環境が整いました。
2.マルケトが提供する3つの価値とは?
マルケトがマーケティングオートメーションを通して提供出来る価値は3つある、と考えています。
(1)新規顧客獲得
(2)顧客LTV最大化
(3)マーケティングROI向上
(1)~(3)がいずれかがもっとも重要、というわけではありません。業界や企業のステージ、環境によって優先度は変わってきます。アプローチ先が無い場合は(1)の優先度が高く、(1)を実行した後には(2)に力を入れていく必要があります。
3.マーケティングROI向上のポイントは?
本記事内では(3)について紹介します。
マーケティングROIを向上させる上で、まず行うのがマーケティングROIの可視化です。施策の改善を行う前に、そもそもどの施策が、効果があるかを正確に把握する必要があります。
効果が出ている施策に注力するだけでもマーケティングROIは向上します。しかし、マーケティングROIの正確な把握は簡単ではありません。ここでのポイントは「ファーストタッチ」「マルチタッチ」という考え方です。
例えば展示会で名刺交換した企業と契約した場合を考えてみます。ファーストタッチの考え方では、単純に展示会からの売上として計測します。しかし、本当にこれで正確に施策の効果を把握出来ているでしょうか。初回の接点は展示会であった場合でも、その後に別のセミナーの参加や、資料のダウンロードを行っている事もあります。その際には①展示会、②セミナー、③資料ダウンロード、と3つの施策の効果が出ている事になります。こうした初回の接点だけではなく、顧客の接触した施策それぞれを計測するのが「マルチタッチ」の考え方です。実際に効果のあった施策を把握する上では、顧客と接触のあった施策全てを把握し、計測する必要があります。そこでマーケティングオートメーションが持つスコアリングが役に立ちます。
ランドスケイプ社からは。ABM(Account Based Marketing)実現のために必要なデータベース構築のポイント、マーケティングオートメーション導入後の課題とその原因についてお話しました。
1.ABM(Account Based Marketing)
パレートの法則をご存知でしょうか。それは売上高の8割が2割だけの顧客の貢献によって成立しているというものです。ABM(Account Based Marketing)の「Account」とは、「実績」という意味を指します。顧客の貢献実績にもとづくABM(Account Based Marketing)では、顧客を絞りこんで効率的なマーケティング施策を展開します。
ABM(Account Based Marketing)が対象とするのは「企業」です。したがって、マーケティング活動及び営業活動を「企業」レベルで集約していくということが求められていきます。この概念に基づき、ABM(Account Based Marketing)を行うと、下記の図のような展開になります。
ターゲットとなる部分を、自社で保有のデータに重ね合わせることで、未接触企業の把握が可能になります。こうして未接触企業の新規開拓を実行していきます。これがABM(Account Based Marketing)です。
2.マーケティングオートメーションでABM(Account Based Marketing)が実現できない原因
保有しているデータベース内の企業名の重複が大きな障壁となっている場合が多くあります。例えば「NEC」と「日本電気」、これらは人の判断であれば、同一企業であると認識できます。しかし、これがシステム上では別コードとして捉えられてしまうことによって、2社と数えられてしまうことが起こります。また、表記のゆれなども影響し、データベース内では企業の重複が発生し、自社保有のデータベース内にある企業の数が正しく把握できない状態になります。
3.ABM(Account Based Marketing)を実現する企業情報データベース「LBC」
冒頭でABM(Account Based Marketing)は企業を対象とすると紹介しました。次にABM(Account Based Marketing)実現を難しくしているのは、企業名の重複と説明しました。つまりABM(Account Based Marketing)実現のためには企業情報の一元化が必要不可欠です。講演ではその企業情報の一元管理を実現する、「LBC」を紹介しました。
「LBC」は日本最大820万拠点を持つランドスケイプ独自の企業情報マスタであり、事業所ごとに固有のコードを付与して、管理しています。それにより企業情報の重複を防ぎ、またグルーピングによるコードの管理によって、企業のグループ情報を把握することが可能です。また、各種ナレッジマスターも蓄積しているため、社名変更や表記のゆれ、住所移転など幅広く対応が可能です。年間2000万項目もの情報をメンテナンスして、常に最新の企業情報を保っています。
4.事務機器製造業のABM(Account Based Marketing)
事務機器製造業のABM(Account Based Marketing)事例も紹介しました。従業員数300~1000名でセグメントして絞り込むことで、100万社とあったターゲット企業を、1万社に限定しました。
「LBC」による企業分母数把握と、市場細分化によって、効率的なマーケティング施策、つまりABM(Account Based Marketing)を実現した事例です。
株式会社ランドスケイプ
ランドスケイプは、日本最大の企業および消費者データベースを駆使したデータベースマーケティングで顧客開拓・育成を支援するコンサルティング会社です。 |
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