いよいよ施行!ストレスチェック制度!~派遣労働者への対応について~

12月ですね!
街なかでは至るところでイルミネーションが灯りはじめ、いよいよ「年の瀬感」が高まってまいりました。
天候についても今年の冬は「暖冬」との予報が出ていますが、それでもだんだん寒くなってきたと感じます。
(我が家では先日こたつを出しました)

あっという間に過ぎ去っていく2015年。思わず今年起こった出来事を振り返りたいような気分に駆られますが、まだまだ安心できません。

先日、2015年を締めくくるにふさわしい非常に重要な法令が施行されました。


平成27年12月1日 ストレスチェック制度施行

労働安全衛生法の改正に基づき、いよいよストレスチェックが義務化となりました。
10月に施行したマイナンバー制度に続き、こちらも話題沸騰かつ非常にホットな案件ですね!

まずは施工後1年以内(平成28年11月30日まで)に初回のストレスチェックを実施しなければならないこともあり、各社担当者の方も情報収集に苦心なされているようで、弊社にも日々、様々な内容にてストレスチェックのお問合せをいただいております。(弊社においてもストレスチェックサービスを提供する企業様のご紹介を行っていましたが、現在は一旦ストップしております)その中で私自身も勉強させていただくことになった、とても印象に残ったご相談がありましたので今回、ご紹介させていただきたいと思います。

今回のコンシェルジュコラム、テーマはずばり、「ストレスチェック制度における派遣労働者への対応について」です。


先日、とある企業の人事担当の方から
「派遣労働者の方はストレスチェックの対象にしてもいいんですかね?」
とのご質問がありました。ストレスチェック推進担当に任命されたものの、どのように進めていけばよいか分からないというご相談の中で出てきた疑問点でした。そしてその方が仰るには

「今いろんな会社から情報を集めてるんですけど、『対象である』と答えた会社と『対象じゃない』と答えた会社どちらもいるんですよね。」
とのこと。
しかも各社、ちょうど半々くらいで意見が分かれているため、とても混乱しているとのことでした。
その時は「実際どうなんでしょうねぇ。。」と、その方との会話を終えたものの、結局のところどうなのか。
非常に気になったこともあり、早速調べてみました。
その結果、分かったことを簡単ではありますが、以下にまとめてみたいと思います。

1.ストレスチェック実施義務について

派遣会社(派遣元)で50名以上派遣スタッフがいる場合は、どこに何人派遣していようが派遣会社(派遣元)にストレスチェック実施義務がある

2.事業場における人数カウント方法について

派遣先である事業場に従業員が50名以上いる場合、当然ストレスチェック実施の義務が発生するが、その際の従業員数は派遣社員も含めてカウントされる。

3.ストレスチェック対象者について

派遣社員は派遣先事業場において人数カウントには含まれるものの、実際にストレスチェックの対象となるのは派遣先企業と正規に雇用契約を結んでいる従業員であり、派遣社員に対しての実施はあくまで努力義務となる。

例) ひとつの事業場において100人の従業員の内訳が正規雇用「60名」、派遣社員「40名」の場合は、 正規雇用の60名がストレスチェック実施義務の対象となり、残る40名は努力義務での実施となる。

4.集団分析について

事業場ごとの集団分析は、ストレスの要因などを明らかにし、職場環境の改善に活用するためにも派遣社員も含めて実施することが望ましい。

5.労働基準監督署への報告

派遣社員に対して派遣先事業場でストレスチェックを行った場合でも、労働基準監督署への報告の際には派遣労働者を人数に含める必要はない。
※そもそも派遣先企業にとっては派遣社員はストレスチェック実施の義務がないため。

(参考:厚労省WEBサイト「ストレスチェック制度 Q&A」 Q-18)

結局のところ派遣先においては派遣労働者はストレスチェックの対象に「ならない」のが正解と言えそうですが、厚生労働省が発行するマニュアルにはこのような記載があります。

「(中略)努力義務となっている集団ごとの集計・分析については、職場単位で実施することが重要であることから、派遣先事業者においては、派遣先事業場における派遣労働者も含めた一定規模の集団ごとにストレスチェック結果を集計・分析するとともに、その結果に基づく措置を実施することが望ましい。」

このことは上記4でも触れていますが、集団分析ありきで考えた場合には、派遣先においても派遣労働者は「対象としたほうがよい」ということになります。しかし、同マニュアル内に記載されている解説には以下の通り書かれています。

「派遣先事業者が、ストレスチェック結果について派遣労働者も含めた集団ごとの集計・分析を行うためには、派遣先事業者においても、派遣労働者に対するストレスチェックを実施する必要があります。」

「望ましい。」から一転、「必要があります。」と言い切っています。
なんだかややこしくなってきました。

ともあれ集団分析の実施は現状努力義務ではありますが、派遣先でもストレスチェック受検対象としたほうが良さそうであり、しかもその場合、派遣労働者は派遣元と派遣先の両方でストレスチェックを受けることになるのです。

複数回ストレスチェックを受けなければならないとなると、派遣労働者にとっては少し負担になるとも思えますが、それについては以下の通り解説されています。

「派遣労働者は、通常の労働者よりも受検の回数が増えることになりますが、職場環境の改善のためには派遣先のストレスチェックを受けていただくことも重要なので、労働者に対して趣旨を十分に説明し、理解を得るようにしましょう。」

最終的な判断は各事業場の衛生委員会に委ねるところですが、派遣労働者への扱いについて行政サイドでもう少し明確な取り決めがあっても良いような気がします。

施行して間もないストレスチェック制度、まだまだ調べてみる余地がありそうです。

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